カテゴリー別アーカイブ: Roses

49.「モノトーン・シャドウズ」

WW04春 モノトーン薔薇髪留め

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カタログで見たときは微妙な色合いに見えて、いいかも、と思ったんですが、実物を見たらてろてろのカロランサテン風味な光沢感で、実はかなりギャップを感じたシリーズでした。しかしコサージュより小さいこの髪留めくらいのサイズだと、花弁が小さいので光沢もあまり気にならない感じです。

カメリアほど幾何学的でなく、しかし通常のカネココサージュの薔薇よりは平面的で図案化されたような趣のある花型。
カメリアをはじめ、こういう図案的なデザインのコサージュはロリィタ系にも合います。大きさも手ごろで型も程よく中庸なため、カネコにもロリィタにも、クラシカルな服にもあわせやすく、キナリと茶、いづれも使ってみるとたいへん便利でした。
ただ化繊のサテンでできているらしく、素材の特性上、花弁のコテが戻りやすくて、あらく使うと1回で型崩れ、というくらい弱いコサージュ(髪留めとして使った場合はもっと型が崩れやすいかもしれません。ぱっちん留めは留め付けるとき花を手で潰しやすいのです)。
弱そうなのは判っていたので丁寧に使ったつもりだったのに、5~6回使用あたりで外側の花弁のコテあてがのびてきて、花全体がなんとなく縦に潰れがちに。…まぁその頃にはサテンの光沢感もそれなりに落ち着いて、型崩れも味として考えるかー、と、その点に関してはある種の悟りに入れましたが。

しかし。よく使いながらも”この光沢感とか型崩れのしやすさとか、ぱっちん留めついてて使いにくいのが一長一短…”などとぐだぐだ思っていたら、なんと2色とも手元から消えました。影のように跡形もなく。

引っかかる部分があるものって不思議とご縁がなくなるもののようです。

…でもデザインはとても気に入っていたので、この型で素材違い(ポプリンか綿素材でキナリ・ピンク・茶・赤を希望! 茎は普通の色でお願いします!!<細けーよ;)を作って戴けたら、気合入れて買います!! そのときはできましたら、髪留めでなくチビコサで宜しくお願いします…などと呟いてみる。

ぱっちん留めのついた髪留めコサージュ。モノトーン薔薇というだけあって、葉っぱと茎が黒~グレイでできているのも珍しく人工的です。
実はこのコサージュ、意外に便利だったので後ほど追加で茶も買ったんですが、白はライヴのとき客席に投げちゃって(阿呆)、茶色はコートの襟にはさんでコサージュとして使用してた日に落としました(涙)。画像で見ると花の直径6センチくらいかと。
もう手元にないコサージュですが、これは買った当初のきれいなうちに携帯で撮ったもの。しかしこの画像が唯一残っている画像なので、これでご容赦下さい…実にご縁のないコサージュであったことよ…

41.「老女優の誇り」

KI02冬 一輪薔薇コサージュ

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みとせにしては珍しいベージュトーンのコサージュ。中央がベージュブラウン、中間がベージュピンク、一番外は白に近いほど薄い色の3段階に染め分けられています。 花弁のかたちも少しずつ違うみたいで、フリル状の縁とかの一箇所一箇所それぞれがすごい細心の細工になっている。

数え切れないくらいの枚数の花弁を使って仕上げてあるんですが、それなのに全然重くもないし、厚みもなくて大きさの割には据わりがいい、よくできたコサージュです。軽いのは花弁が多いことに加えて、素材にシルクを使ってるせいだと思うんですが、さすが、お値段もかなーりいいお値段でした。一輪薔薇でリボンとか房とかのオプション装飾なしなのに、これ、2万以上しました;; 高価なものには高価なりの理由があるものです。

花にも勿論惚れたんですが、葉っぱフェチみとせ的には、この中の一枚だけかたちの違う細長い葉っぱを特筆したい。一枚だけなんですが、葉っぱの途中から斜めに黄色と茶が混ざったような色で染め分けられているのがあって(右端の飛びだしてるやつです)、その葉っぱはわざとくちゃっと真中から縦に折りたたんであって、さらに横にもねじくれて曲げてあって、もう枯れかけなんだか病気なんだかっていう汚い風情にしてあるんです。それがすごくいい。

枯れかけの花の独特の風情、もとが美しいものであるからこその凄みと艶、蓄積されたその生の歴史。そういった非凡なはずのものを、なんでもなくおさえこんで自然にいられる気品。老女優のプライドのようなコサージュだなと。そして自分も長じたならば、そんな在り方のできる人間でありたいものだと思うのでありました。

シックなベージュ系の一輪薔直径10センチ以上の大輪です。花も開ききって中央の花芯がみえているし、花弁の色も枯れ色ですが、実は葉っぱもけっこうねじくれていて、全体が枯れ気味の風情です。枯れかけた花って独特で好き。

35.「淑女の日常」

KI01秋 一輪薔薇コサージュ

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前回(『34.小さな貴石』<定番もの>)が一輪梔子のチビだったので、今回はチビの一輪薔薇を。
このコンテンツの一章で初心者向けに紹介したWWの一輪薔薇(『1.小さな花飾り』<定番もの>)のチビコサとよく似てますが、あっちのほうは綿でマットでふんわりした印象なのに較べて、これは半透明っぽくてちょっと硬い印象のある、折り曲げたらぽろりと折れてきそうな花弁です。

硬いと言っても繊細さのある感じ、蝋細工のような不思議な素材感です。実際は型崩れしにくくて、WWのよりも丈夫なのですが。(WWのあれは花はもっとやわらかい印象ですし、茎の色はもう少し強めで遊びっぽいです。そして実はあのWWタイプの花弁は、くるんとした縁の捲きがとれてきちゃったり、布縁がほつれてたりして実はけっこう崩れやすいのです…(涙)。そこが愛しいんですけどね、ああいうのは;)
これは発売当初、先にも言ったようにWWの一輪薔薇と似ているだけあって、やはり初心者さん向けに、中でも大人になってからカネコに入ったという方とか、ふりふり系よりきれいめ系の着方がお好きな方にすすめまくった一品です。理由はまず小ぶりで一輪なので見た目も抵抗が少なそうなこと、かわいさとかっちりさが程よく調和してて、ナントカ風、みたいにイメージが端的すぎないこと。それから、丈夫で型崩れしにくそうなので扱いなれてなくても安心できそうなこと。茎も色が淡めで細くて主張が弱いので、花弁の質感とあいまって、おとなしめのジャケットにも、ポリにも目の詰まったブロードにも合うと思います。ブロードは上半身だけでもちょっとアイロンをあてておくとなおいいかも(笑)。洗いざらしっぽいコサじゃないと思うので。

丈夫そうな花弁のコサはまず好みに外れるので買わないんですが(崩れやすそうなのが好きってのも毎日コサのコサバカとしてはアンビバレントですが;)、これはこの蝋細工のような透明感が魅力的に映りました。前回の『小さな貴石』の一輪梔子も蝋細工のような質感の花でしたが、このタイプは普段使いにいいなあ、などと思うのでした。

中央が濃い目、外側は薄い色目の濃淡二色遣い。花芯はくしゃっとオールド風ですが、輪郭を作る外側の花弁がひらひらしていないせいか、可愛いさの中にもかちっと程よいお行儀のよさを感じさせるコサです。

35rose_01ki_02一輪だとこんな感じです。細い茎が伸びやか。茎の処理に困るって方もいるようですが、茎なんて自分の体型にあわせてつけやすいようにアレンジしちゃってもいいのです。だって、ワイヤですからもとのままの状態を保つのはまず無理ですもん。ショップに納品されるまでの運搬で既に変わってますので(笑)、安心して好きに整えてください。

24.「幻想の蒼薔薇」

KI 00春 一輪薔薇コサージュ
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血と幻想の魔物、永遠の夜と永遠の罪を生きるもの。蒼い薔薇と十字に集いし血族。

…なあんつって(笑)、以前「シャアベット・ローズ」の章で言ってた「見るからに高貴でコールドな蒼薔薇」というのがこれです。実物はもっと透け感のある素材で美しいんですけど、うまく写真に撮れなくて残念。最初に見たとき、何故かカネコにしては珍しい感じのコサージュだな~と思いました。何が珍しいのかと考えてみたら、多分いつになく人工的な印象の花だったからなんじゃないかと。

そのせいか、このコサージュはカネコ系よりゴシック風のドレスに合わせて使うことが多いです(とはいってもゴシック風のドレスなんてあんまり持ってないし、めったに着ないんですけど)。或いはカネコの白黒を組み合わせてゴシック風に装うときによく活躍します。

ロリータ系の服はわたしは服を見てるのは好きだけど着てるのはあんまり得意じゃなくて、どーも落ち着きません(笑)。人工的かつ現代にはマッチしないデザインだというのが否めないこともあるけど(そういうコンセプトの服なのだからそれで正しいのですが、要は着る側のわたしの精神がロリータの精神にマッチしてないってことなんですね)、ミニやひざ下までのパニエの入った着方って、昔やってたバレエのチュチュを思い出しちゃってなんかトゥが落ち着かない怪しい人になっている気が(笑)。

蒼の色味がわたしの顔色と相性がよくなくて、好きな割にはあんまりつけられないのが悲しいのですが、持っててたまに引っ張り出して眺めるだけでもしあわせなのでOKです(笑)。つけるときは顔から少し離して肩よせぎみに、かつベースとなる服は顔映りのよいものを。襟がはっきりしたもののほうがコサの暗さを消してくれるようです。或いはぐっと襟ぐりの広いシンプル襟なしか。

ロリータにも甘ロリとかいろいろ種類があるみたいですが、自分が自分のために買うのはゴシックのみ。しかもゴスロリの中でも「それロリータやないやん!」っていう大人っぽくてロングで、「どこがゴシックやねん!」っていう飾りの少ないものばっかりです。ロングのストレートなワンピースとか、十字架や天使のプリントのTシャツとか。あと、意外と思われるかもしれませんが、わたしロリータパンクはけっこう好きなんです。ロリータの中でも抑えがきいててちょっとロンドンファッションのセンスがあって、わたし的には最もスタイリッシュな印象があります。ただ貧弱なワタクシ、ビスチェもスカートも各社の標準サイズから10センチ以上詰めていただかないと着られないのです。

そういえば以前某店で、編み上げのビスチェと変わりプリーツのスカートを幅詰めしてくれって頼んだら、「そこまで詰めるとデザイン変更になるのでお受けできません」と断られました。くすん。隣で別の販売員さんがけっこうな身幅だしを受けてたので、「じゃあ訊くけど身幅出しは変更じゃないって言うの~~!?」と思わず逆切れしそうに(笑)。大人気ないぞ、みとせ(笑)。縁がないものと諦め、それ以来お直しの必要そうなものには手を出しません。

…なんかこの章カネコじゃなくてロリータについて語ってますね;スミマセン;;

大きなオールドタイプで透けるような花弁の薔薇。花弁も薄手でリボンもオーガンジーと、フォーマルな印象の強い薔薇なので、どうしても活躍の場が限られてしまいますが美しい薔薇です。実はこのコンテンツのTOPにあるピンクの薔薇の色違いです。春に出たものは葉や花弁などもやはり春の色なのですが、これはずいぶん寒そうでした(笑)。

18.「お姫さまの花飾り」

WW98冬 薔薇コサージュブレスレット

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薔薇が続いたので、比較してみていただくのもいいかと思い、また薔薇にしてみました。結局こうやってみると薔薇のコサージュをすごくたくさん持っていることに気がつきます。しかも似たようなのばっか(笑)。わたし、趣味の範囲が狭いんですよね。だからいつも同じようなの買ってる。色も白か青かパープルで、あってもピンクまで。これなんかまさしく白でオールドでいっぱい持ってるじゃん!ってものの典型(笑)。…なんですけど、コサージュブレスレットっていうのが珍しくて。最近でこそよく出ますけど、以前はブレスは珍しかったんです。
わたしには甘すぎるかなと思ったんですけど、買ってみたら手だけでなく、バッグの持ち手につけたり髪に飾ったり、ジャケットチェーンにしたりといろいろに使えてとても便利でした。これで1万なんて㈱KANEKO ISAO企業努力!!赤茶も買っておくんだったと後悔してます(笑)。

金のチェーンにサテンリボン、涙パールということで、パーツ的にはフォーマル向けであんまり綿の花柄系の服には合わなそうなんですけど、花のほうが目立つせいか、つけてみるとわりとこだわらずに使えています。そしてブロード・ローンにかかわらず、無地とは相性抜群です。

実物見たとき、すごく童話的なデザインだと思いました。童話のお姫様ってこういうイメージがあるのです。前に紹介した白いリースは『目覚めない眠り姫』のイメージでしたが、これは『目覚めるべき眠り姫』のイメージがあります。どこが違うのかといわれると困っちゃうのですが、同じやわらかな白薔薇でも花だけでまとめたものと違って、パールやチェーンという”飾って見せる”目的を持って用意される社会的な素材をあわせているせいか、こちらはなんとなく前向きというか、外向きな感じがするのです。お姫様を飾る婚礼の飾りはこんなふうに可憐でゴージャスにまとめられるのが相応しいのではないかなと、勝手に思うわけです。

薔薇の花が3輪ついたブレスレット。薔薇の間は金のチェーンにサテンリボンを通したもので繋がれてて、先には涙型のパールが下がるようになってます。ケンティフォリア(千の花弁を意味する言葉で、原種薔薇・オールドローズの代表種)風の花弁も盃状咲きの花型も素敵。わかりにくい置き方で写真を撮ってすみません;; でもこのワイヤの蔓がくるくるしてるのがツボなんです(笑)。

16.「シャァベット・ローズ」

WW01秋 一輪薔薇アームコサージュ

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蒼薔薇、といえば幻想文学や吸血鬼ものの読者のみならず、知る人ぞ知る『幻の薔薇』の代名詞。交配に交配を繰り返しどんなに研究を重ねても、本当に蒼と呼べる薔薇どころか、青とさえ呼べる薔薇もできない。ブルゥムーンもシャルルドゴールも、青といいながらその色は所詮紫に留まる。

薔薇はその身のうちに蒼という色のための色素を持っていながら、その色素を発現できない要素をあわせ抱いている。できないからこそ求め、叶わぬからこそ焦がれる。自然の法則への挑戦は神への反逆。不可能性と二律背反、浪漫と高貴、魔性美への希求の結晶。
…なあんつって、一時期薔薇に凝ったことがあるので、そのときのいいかげんな知識でうたってみました青薔薇(笑)。まあ、青い薔薇の紹介としては概ね間違ってないと思います。

青薔薇と言えばこういう高貴で人工的なイメージがあると思うんですけど、この青い薔薇は全然そんな大仰な感じがしないところが好きです。淡い色味ところんとしたかたちのせいか、青薔薇というよりは、雪の結晶とか氷細工みたい。サクサクしたシャアベットのよう、触れたらやわらかく消えてゆくような。優しい冷たさと儚い可憐さのあるコサージュだと思います。(バリバリに『蒼薔薇』っていうような高貴でコールドな感じの青い薔薇のコサージュも持っておりますが)

ラフィアを結んで使うっていうのはわかるんだけど、腕に自分でどうやって結べというのでしょう?;; 片手で蝶結びなんでてきないです、カネコセンセイ! …ので、バッグの持ち手や髪に飾られるか、ラフィアをそのまま花の根元に蝶結びして、コサージュピンを絡めて普通にコサージュとして胸におさまってることが多いです(笑)。ころんとまるくて厚みがあるため、けっこうすわりにくいデザインだと思いますが、ラフィアのわらわらがうまくクッションになってくれてます。

ポプリンというオーガンジーよりちょっと厚手の素材の薔薇のコサージュです。コサージュと言っても通常の胸につけるものではなく、ラフィア(後ろの藁みたいなのです)部分を巻きつけて結んで使うもの。二の腕につけるのがオフィシャルコーディらしいので、アームコサージュという商品名になってました。

15.「白皙の薔薇」

KI00冬 薔薇リースコサージュ

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わたしのリースコサージュばかぶりは既に名高く、これが出ると決まったとき、友人達はこぞって「何個買うの?」とききました(爆)。
ところがこれは1個しか買っていません。これ、大きいリースと小さいリースが二重になってついてひとつのコサージュなんですね。だから、重ね付けするスキマがないんです。それに造りがカチっとしてる分だけやっぱり重め。これはジャケットとか、少し堅めのスタイルに似合うタイプのコサージュだと思うので、重ねてぼかしてしまうより、ひとつをキリっとつけたいなと。

これは色名は「キナリ」なんですが、この他のお色もみんな繊細で渋いやわらかさがあって素敵でした。特に「ダークピンク」は淡いピンクとサーモンピンクの二色遣いで、思わず「こっちもください」と口から出かかる(笑)美しさでした。

これに限らないんですけど、やっぱりKANEKO ISAOのコサージュはWONDERFUL WORLDのに較べるとノーブルっていうか、端正な感じにできていると思います。前にあげたPHの蔓小薔薇リースが『可愛い子』なら、このKIの薔薇リースは『美しい女性』という感じ。
INGEBORGのコサージュも繊細だけど端正で、上品なスーツやワンピース向けだし。たかがコサですが、よ~~く見るとブランド毎の特徴ってはっきりありますよね。

PHの蔓小薔薇よりクラシカルでフォーマルっぽいイメージにできてます。薔薇も花縁はオールドの雰囲気ありますが、高芯咲きなところは現代の趣に近づけてあって、なかなか微妙。葉はシールといってベルベットみたいな毛足のある素材です。全体もカチっと硬めにできてて、花とか全体の色合いとか、とても端正です。