◇[詞]マルドロールの兎

マルドロールの兎 作編曲:Dani 作詞:みとせのりこ

わたしは今も禁猟区で震える
マルドロールの兎
狼の群れに自らを投げ入れて
紅い靴でひとり踊る

血まみれの足跡が咲く 真冬の森の中で
視えない月の下 極夜の宴は続く

闇を超えてわたしの夢に
夜が訪れる 今
罪は深く睛を閉ざし
総てを覆い隠す

魂<こころ>はまるで黒い闇の表面<おもて>に
刺し止められた蝶の翅

真っ白な葩がただ 重なり積もるだけの
死んだ記憶の上 傷痕だけが消えない

塗り潰された月 涯てのない静寂<しじま>に
眠りの淵を彷徨い啼く 小夜啼鳥<とり>たちの聲が

闇を超えて終わらぬ悪夢<ゆめ>に
今日もまた響く 嗚呼
紅い花で埋め尽くされた
森に火を放て さあ
夜は深く世界を鎖し
総てを覆い隠す