06.「雨にうつむく花翳の色」

WW98夏 菫コサージュベルト

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5月は晴れやかで気持ち良いけど、わたしは6月の雨が好き。雨の季節には紫陽花が咲く。一雨ごとに移ろいゆく紫陽花の花色ですが、わたしははうすみどりから青にかけての色が美しいと思います。近くの公園に山ほど紫陽花が咲くので、日々色づくのを眺めては、程よいところで花泥棒!…という極悪な行動に出たりも…もごもご。
が、生花と花飾りはやっぱり違うもの。

誰に見せてもまず最初に菫だと思われる(笑)この紫陽花コサージュ、確かに見た目が菫に近いせいか、わたしもこのパープルと白がお気に入りです。一目惚れしてとびついて買ったこのコサージュ、それだけあって、みとせのりこのよく使うコサージュランキング10指に入ってます。ポイントは、軽くて華奢で影が薄い(笑)ところ。それにこういう儚いコサージュは、無地ものと相性がいいんです(プリントものにつけるとプリントに負けちゃうだけだなんてことは言っちゃダメよ・笑)。軽いから極薄手のローンにつけても下がりにくいし、布も傷つきにくい。綿ローンとフランスレースの服に雰囲気もよく合って、まるでわたしのためにつくられたコサージュのようです(笑)。ぱっと見はアンティーク風ですが、実物はポプリンという素材のため光沢感があって、アンティークなマット感は全然ないです。アンティーク風の仕上げはむしろアトリエ染花さんのコサージュのほうのフィールド。実はカネコ系には思い切りアンティーク調のものってまずないのです。

花そのものの見た目は紫陽花らしくはないけれど、細い雨にほの隠れうつむく花のように、繊細で儚い装いを色彩づけるこの花飾りは、服までのトータルコーディネイトを紫陽花にしてしまう、ある意味で真に紫陽花らしい紫陽花と言えるでしょう。

小花で斜茎で軽くて華奢、というみとせ的ツボにストライクだった久々のコサージュ。当然ながら多色買いしました。実は白いのはベージュオレンジのリボンがついていたのを、白に取り替えたものです。真っ白いリボンのも出てたんですけど、花の染め方がオレンジのほうが凝ってたので、オレンジを買ってリボンだけ付け替えました。理想的なコサージュになって満足v…もういっこずつ欲しいな~…<バカすぎ;;

タフタリボンとくしゃっとした花弁が一見ヴィクトリア風にも見えるコサージュ。実際はそんなにアンティーク風ではありません。花はポプリンという薄手素材の一枚仕立てで、茎も花とくっついてる根本部分からすべて斜茎なので、ほんとに軽くてしなしなです。紫陽花のくせにどのコサより湿気に弱そう(笑)。