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50.「真夏のフリル」

IB 百日紅コサージュ

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真夏の日差しに透けて輝く花、百日紅。
数少ない純正非カネココサージュ(金子功デザイン監修ではないけどカネコ系、という意味で)で、実はこれも自分でショップで買ったものではなくて、友人から譲り受けたものです。百日紅のうすーい花弁のふちの、波打つフリルのような繊細さがよく表現されています。
IBのコサージュは不思議とどこかしらカタイというか、同じ花のコサージュを見比べてみると特にそう感じるのですが、どこがどう違うかはよくわかりません。そういう微妙な違いが出せるというのはやはりコサージュを作っているデザイナーさんや職人さんの玄人ワザによるのだろうなあと、勝手にそのエキスパートぶりに感じ入ったりするわけですが(笑)。

そんなわけで、しなしなくてくてしたものが好きなわたしはあまりIBのコサージュを持っていないのですが、この百日紅は店頭で見ても可愛いなあと思っていました。百日紅の本物の花そのものが大好きなこともあるんですが、似合う服がないので購入を諦めた割にはこうしてめぐりめぐって手元に来るのだから縁とは不思議なものです。

白のシングルブーケなので、単体で見ればオールシーズンOKで汎用性は非常に高いのですが、やはりせっかく真夏の花なので、自分的には麻のジャケット、或いはブロードの、ぱりっとしたサンドレスにつけたいコサージュです。

カネコセンセイそのものが「私の花柄の服は季節関係ないの、秋でも鈴蘭、いいの、それで」というようなことを仰っているわけですし、季節にこだわる必要は勿論ないのですが、自分としてはやはり、季節感の強い花(あとは和調のものなど)は、個人的な贅沢や「粋」という意味で季節にこだわってみたいな、と思います。

コサージュって、和の世界に置き換えるならたぶん帯留めみたいな位置付けなんだろうなと思います。なくても別にちゃんとコーディに問題はないし、ほどけたりもしないし、機能上はいらないようなところなんだけど、つい個人のこだわりで凝る、みたいな。

IBのコサージュはやはりどこかがかちっとしているというか、どこかしらコンサバで重めな印象を受けます。綿ならローンよりブロード、ニットよりジャケットに似合うようにできている感じ。茎の色が濃いせいなのか、まとめかたのせいなのか…。この百日紅もくしゃくしゃしている割には何故だかどこかがカチっとまとまっている。やっぱり緑の色のせいなのかな、などと、つい手にとっては違いを明確化しようと努力してしまう、コサばかのサガなのでありました。

50sarusuberi_xxib_02くしゃくしゃと手もみして雰囲気を出した花びら。友人に「はながみ?」と言われてショックを受けた。風情なさすぎ!こういう珍しい花、通常の抜き型にないものは、パーツをひとつひとつ手でカットするそうです(ポピュラーな勿忘草とか菫とか雛菊とか鈴蘭とかは最初から型があるので、その型で抜きます。クッキー型みたいなので大量に作れるのです)。気が遠くなるような職人作業に敬服。

42.「秋色暮色葡萄色」

KI02夏 葡萄コサージュ

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葡萄の葉っぱとこのびよよーんと伸び出た蔓が欲しくて買ったという噂もちらほらな葡萄コサージュ、葉っぱフェチ健在。パープルとワインが大好きなみとせですが、実は葡萄柄の服はひとつも持っていません。金子功デザインの葡萄のプリントは、ワイン系じゃなくて、なんとなくマスカット色のほうに照準が合ってる気がするんです。ので、自分は無地モノやニット、チェックと合わせてニュアンス葡萄を楽しんでおります。

昔の葡萄コサージュより軽くなったとはいえ、やはり実モノは重いので、綿ローンには当然無理ですが、葡萄は綿ローンを要求する風情のものではないのでノープロブレムです。葡萄モチーフって、ぽこぽこしたアランニットにカシミアのストールをひっかけて、みたいな、上着の要らない時期の装いにもいい。

葡萄は和調ものではないけれど、その季節にしか使えない、という点では和調に共通する世界があると思います。季節ごとの服の入れ替えってのはみなさんやってると思うんですが、けっこう季節モノのコサージュがたくさんあるせいで、うちはコサの入れ替えがあります(笑)。

コサージュって、和の世界に置き換えるならたぶん帯留めみたいな位置付けなんだろうなと思います。なくても別にコーディに問題はないし、いらないようなところなんだけど、つい個人のこだわりで凝る、みたいな。

葡萄色は秋と冬の境の黄昏の終わり際、黄昏の裾と夜の交わるあたりの色。春先~真夏はやはりこっくりした色は暑苦しいので休業期間にされてしまうのですが、秋冬になると猛然と活躍するカラーです(笑)。

ワインカラーの葡萄が4房もついた豊作な(笑)コサージュ。重いかな、と思ったら、むかしのより軽くなってました。きっと素材が変わったんだろうな。葡萄は昔から好きなモチーフですが、あのかたちの葉っぱと赤っぽい実、というとりあわせが好きなようで、ぶっちゃけカシスでもよいのです。というか、カシス柄とカシスのコサージュが出たら買います(笑)。

42budou_02ki_02葉っぱ側から見るとこんな感じ(右)。
葡萄はたくさん実がついてるので整えるのが面倒くさくて難しいものの代表格だと思います。実、すぐとれちゃうらしいですし(笑)。でも実のついた軸のワイヤから実が抜けちゃってるだけなので、とれても慌てずに、ボンドを軸にちょちょいとつけて、元通りにぷすっと差し込めばくっつきます。

34.「小さな貴石」

KI 02秋 梔子コサージュ

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チビコサのくせに昔のIBの普通サイズの梔子コサと同じ値段。同時期に出たWWのリボン付き梔子チビコサの1.5倍の値段。なんでやねん!!とカタログの価格表を見たときは驚いたもんでした(笑)。

でも、実物を見ると果たしてやはりきれいでした。花弁の枚数がまず多いし、花芯の立ち上がりや巻き方がすごくノーブルで端正。波打つふちのかたちも繊細で、水晶のような光沢のある花びらは温度の低い感じのベージュ。小さいけれど無色だけれど、とても美しい輝きをもった小粒のダイヤモンドのようなコサージュだと思います。

小ぶりでかちっとしているので、コートのときにマフラーやストールと併用して、とか、ネックリボンの結び目に、とか、薄手のスカーフとも相性抜群で合わせ技にも重宝しています。ちょっとオトナの猫を被るときにはかなりの確率でコレが胸にくっついています。…並んで2個くっついてることもあるけど;(←どこがオトナの猫だ!)

肩幅の狭い人は、普通コサだとからだに対して大きすぎることがあるので、こういうチビコサを普通に使うのもオススメ。コサ選びって意外にデザインだけで見てる人が多いようですが、まず自分のからだ、特に上体、肩の広さと胸の厚みにあわせて対比で選ぶものなので、普通コサとして売ってるものの大きさや基準にとらわれず、自分にあったサイズのものを探してみてください。同じ花の一輪コサでも、実は出るたび大きさや素材、花弁のかたち付けがちょっとずつ違ったりするんですよ。

小さめのコサージュですが端正な佇まいでお気に入りの梔子。色がグレーみのベージュでみとせ好みです。唯一の不満点は葉っぱがぺらっとした光沢素材なことなのですが、この葉っぱは昔のIBの梔子を思い出させるのでノスタルジックな気持ちにもなります。
実はたいそう気に入ってよく使っているため、もう一個か2個欲しいです; セールにかかったときに買い集めておくんだったー!!と後悔中。お使いでない方、よろしければ身請けさせていただきますのでご連絡下さいまし(切実)。

30.「大人のチェリー」

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チェリーや苺ってPH着はじめの子供の頃から全く興味がなくて、いつも無地ものの繊細なのとかチェック地味服ばかり買っていたせいか、ショップでも「のりこちゃんのイメージじゃないよね」と歴代担当さんにも言われつづけてきました。

どうも子供っぽくてバカっぽい(失礼;)イメージがあって、おまけに直球すぎて可愛さの押し売りみたいでもうそれだけでお腹いっぱいって気分で、ほんとに子供の頃には全然手を出す気にならなかったんですね。まあ、つまりわたしはその頃はほんとにバカで子供で、それを強調するようなものをつけるのは怖かったんでしょう。

でも最近になってやっとなんとなく魅力がわかってきました。と、言ってもやっぱり大多数の方々が思うのとはかなり違うと思うんですけど。

単純に可愛いと思うというより、花にはないこの赤の色がきれいだとか、そういうことと、或いはわざとちょっと頭の悪い女の子みたいに装いたいときがでてきたんですね。アタマの悪い女の子って、ときにものすごく可愛いことがあるでしょう。常識も何もかもうっちゃって本能のまま、好きなものには猪突猛進、一途でひたむき。凶暴で獰猛で、肉食の小動物みたい。

…て、まあ、きっとこういうのってPHにもロリィタ系にも共通の、ひとつの「オンナノコ」像なんでしょうね。昔は大嫌いだったそういうものの中にも、「これがホントに覚悟すわってやってるんなら素敵じゃない」と思える部分を見出せるようになってきた。人間の円熟というやつですか。>ヲイ;

そういうハタ迷惑で本能まんまの人間像は、はっきり言って敵は多いです。でもその犠牲を払う覚悟があって、それでも負けない潰れない、かつ人に最小限の迷惑しかかけない努力ができる(←これはとても重要)なら、それは生き方として認めたい。ああ、勿論そこに生き方としてのスマートさや統一された美学、在りようとしての美しさがなければ許せませんけどね。>結局心が狭いのか; そういうヒトは、チェリーだけでなく、絶対に梔子も似合うのだ。…そう、イメェジは戸川純(爆)。

そして何気にアーミー系のものと相性がいいことが発覚。迷彩とデニムに活躍のチェリーです。苺と大差ない扱いですか。でも苺よりはひねりがあると思うのですが。

…結局可愛く使ってあげてないなあ;;

買わないつもりが一目惚れのチビチェリーコサージュ。チェリーっていうと子供っぽいイメージで全然興味なかったんですが、このコサージュを見てチェリーのイメージが変わりました。こんなに大人びた配色にもできるんだって。コサばか10年余、久々の目から鱗でした。

25.「野生の苺」

WW 02夏 苺ブーケコサージュ

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苺ね、初めて買いました。カネコ(PH含む)歴、コサばか歴10年以上というのに一個も買ってなかったなんてウソのようですが、今までどうしても気に入った苺が出なかったんです。

苺はあの赤くて可愛らしい果実のほうがメインなだろうけど、わたしは実は果実には興味がなくて苺の花と葉っぱが好きでして、果実がついてない花と葉っぱだけの苺コサージュが出ないかな~と本気で期待をしていたりしました(笑)。勿論さすがに出たことないんですけどね。
花と葉っぱの可愛いものはいくらでも出てたんですけど、果実がね、なかなか。テカテカの果物屋さんのイミテーションみたいなのはイヤだし、布で作ったようなのは苺に見えないし。果実は別にいいって言ってるんだからなんでもいーじゃんと思うでしょ? ところがそうはいかないのがコサばかというか、目立って気に入らない部分があると他がよくてもダメなんです。

これもまあ、果実はあんまり出来がいいとは実は思ってないんです。ホントはちゃんと実の表面についたつぶつぶやけばけばをもっと正確に!とか思っちゃうんですけど(笑)。でも逆にそういうところがなくてつや消しっぽいシンプルなつくりのぶん、主張がなくて果実が目立たないところがみとせ的に気に入ったポイントでした。

2個買ったので、重ねてつけたりいっこずつ髪につけたり、けっこう活躍してくれてます。…しかしGジャンとか革とか迷彩とかばっかりに合わせてて、全然可愛らしく使ってないという(笑)。苺なんて甘いモチーフ、甘くなんか使えないヒネ者なワタクシでございます。
一般の苺のイメージは温室的な甘い可愛らしさなんだろうけど、わたしはそれだと貧困なイメージ故か「アタマの中までスウィートストロベリーちゃん」って方向に行っちゃう(笑)ので、そういうものよりは、痩せた大地にも蔓をはってのびていく野生種の力強さのほうが好き。そんな飾らない中にある可憐さのほうが、わたしには好ましく思えるから。

苺も実は薔薇科。5枚花弁の可憐さは、同じ薔薇科のさくらにも通じると思いませんか?

大きいブーケのも出てたんですけど、苺そのものが甘いディティールのものなので、大きさは抑え目に小さいほうを選択。ブーケ部分だけなら横幅にして7センチ弱くらい。ラフィアやリボンなどの余分な装飾のない、すっきりと潔いコサです。

02.「マストアイテム」

PH88/93 一輪雛菊コサージュ

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コサージュのマストアイテム、これひとつあればとりあえず他はなくてもOK、とまで言われてる万能選手コサージュが、この一輪雛菊。
大きさは大中小とありますが、中くらいがつかいやすいです。白をひとつ持ってると本当に便利。これいっこつけるだけで、ユニクロがPHに見えてくるんだからその威力はすごい(爆)。
型のせいかPOPでカジュアルな印象になりがちなんですが、上手な人は実に多彩に使いこなします。
ちなみにわたしはダメな人(笑)。 すすめておきながらなんですけど、わたしは雛菊は使いこなせなくて、他のばっかり使ってます。でも、たぶんショップに行っても一つ目のコサージュにはこれをすすめると思います。失敗がない、っていう点でも、型崩れしにくいのでつけてて安心、という点でも初心者さんにオススメ。
上級者になったら、わたしのようにお蔵に入れずに、いろいろアレンジして使いこなしてくださいね。
…と言っていたら2年くらい前からコツが判ってきたような。みとせ流てんこもりカネコ(つまり綿ローンとフランスレース)には雛菊は向かないのですが、ちょっとカジュアルミックスで崩したときには実に使いやすい。
赤は和調にも合わせやすいし、水色はボーダーのカットソーに白SKでマリンぽく着るときには気合が程よく抜けていい感じ。バッグにつけても帽子につけても厚みがないのでおさまりがいい。なるほど納得の万能ぶりの一端を垣間見ました。やっとわたしも上級者に足を踏み入れられてきたってことでしょうか??

88年(だったと思う…) PH一輪雛菊コサージュ(赤)
ラフィア(わらみたいなわらわらのこと)つき。唯一って言っても過言ではない、普通サイズの赤のコサージュ。深い赤なので、思ったよりPOPになりません。

02hinagiku_ph93

93年(だったかな?)PHの一輪雛菊コサージュ(水色)
これは中くらい~小さめのタイプ。便利だし、って買って、けっこう当初はデニムにあわせたり、しろつめと重ねたり、帽子につけたりとよく使ってました。最近全く出番なしで、ちょっと可哀想。