10.「セピア色の花束」

WW00春 アンティーク小花コサージュ

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ドライフラワーは実は好きじゃないんです。急に枯れさせて保存した姿には美しさより人間のエゴを感じてしまうから。「セピア調」とか「アンティーク風」とかの新しいものは嫌い。本当に時代を経たものの色合いには絶対にならないから。つくられたのがわかってしまう贋物はいらないんです。

だからというと語弊がありますが、コサージュも服もめったにベージュトーンのものは買いません。まあ、でもそういった色合いのものを買わない理由はそれだけでなく、わたしが青白い肌なので、ベージュやキナリが似合わないというのもあるんですけど;;いいなあ、似合う人。
そんなわたしですが、たま~~にどうしても気に入ってベージュ系のものを購入するときがあります。このコサージュが数少ないそれです。グレー味のあるベージュのリボンがついているので、かろうじてわたしにもこなせる。アンティーク小花という柄のコーディネイト商品なんですけど、なるほどこの色合いとベルベットリボンはそういうイメージ。だけどヘンにやらせっぽく仕上げてないところが金子氏らしいと思います。
アンティーク好きで有名な金子氏ですが、金子氏の作品で、「よくあるアンティーク風」に仕上げられたものなんて実は見たことがない気がするのです。これもやっぱりどこかに洗練されたストイックな感じがある。それが『品がある』ということなのだと、わたしは思っています。

わたしにしては珍しいベージュトーンのブーケです。実物はもう少しやわらかい色をしていて、茶系ですけど木綿のチェックの服よりも、ポリエステルや薄手木綿のラインのおとなしい服によく似合うと思います。小花が何気にミックスカラーになっていたり、すごくいいベルベットリボンがついていたりと細かいこだわりが感じられます。