◆1/8「Le Cirque Fantastique」、成功の御礼

自分がまだ新年の気持ちではないもので新年のご挨拶も申し上げていないままですが、1/8のライヴイベント「Le Cirque Fantastique」、お越し頂きました皆様、本当に有難うございました。
みとせの出演は50分といつものワンマンよりは短い時間ではありましたが、その分イベント趣旨に合わせた暗黒で(笑)鬱少女で(笑)弔いで(これはいつものことか)クロウズドな印象の曲ばかりを集めつつ、懐かしいレア曲や最新の初演奏曲を織り交ぜてお送りいたしました。短い時間の中にも一定の方向性のみとせらしさがぎゅぎゅっと凝縮されたライヴになっておりましたので、ああいう雰囲気がお好きな方には存分に楽しんで頂けたのではないかと思っております。
他の出演者様やMCの砂倉さん、それぞれのご活躍によりイベントそのものもコンセプチュアルに、かつカジュアルに、最後まで充実したものでした。こんな濃厚な(笑)イベントに参加させて頂けて、主催者様のご尽力に心から感謝しております。

さてさて、今回のみとせステージのアレンジとバンマスはピアノの鶴田さん。チェロは本当は鶴田さんイチオシの奏者さんで塚本さんという男性の方をお招きする予定だったのですが、ステージ上でも言ったとおり、なんと直前に塚本さんがインフルエンザの神に祟られてしまい、塚本さんは「なんとか熱だけでも下げて出ます」と仰ってくださったのですが、今回対バンにお客様もおいでになる場所にインフルエンザを持ち込むわけにもゆかぬということで、敢無く奏者交代となりまして、代わりに急遽女性チェリストの岡部さんがおいで下さいました。そのためステージ上は図らずも女子のみとなり、なにやらエレガントな雰囲気に…なると思っていたんですが、蓋をあけたら鶴田さんもアルペジオよりコードでがっつんがっつん行くのが得意なパワー系の奏者さんで、岡部さんもアップテンポの方が闘争心が湧く、などと仰る方だったので、全然エレガントじゃなかったですね(笑)。

最近の曲からは「キネマモザイク~薔薇の筆跡~」、懐かしい曲からはORITAの「月下美人」がライヴでの初演奏。そしてさらに古い曲としては、キルシェの曲から音源化されておらず不世出の名曲(笑)と名高い「カナリヤ機械(にんぎょう)」などもお送りいたしました。カタンからは季節外れの「曼珠沙華」、ヨルオトからは「オクターヴ・ワルツ」と、息もつかせぬ跳躍進行のヴォーカル超絶難曲で埋め尽くされた9曲50分。幻想サァカス団の一員としてのみとせの演目は「綱渡り」でございました。もうDollって呼んで。

細い細い絹糸かはたまた白刃の上かを渡るような不穏で儚い50分の幻想、演奏中はこの薄暗い水の底から戻ってきたくなーーーい、くらいの気持ちだったわたしと同じように、ご来場の皆様にも楽しんで頂けておりましたら幸いです。

そして南青山MANDALAでは年に一度の太田さん祭り、太田光宏さんの「はあとのおと」にもみとせのドッペルゲンガー(笑)が参加させて頂きまして、めでたい席に太田さんアレンジの名曲を添えることができたいへん光栄でした。演奏曲は太田さんの選曲で「朧月夜」と「月の沙漠」の2曲。太田さんのギターは本当に雄弁で抒情的で、唱歌の世界によく合います。特に太田さんのギターで唄う「朧月夜」はまさに輪郭の甘く滲んだ檸檬色の月と温み始めた春の風にそよぐ一面の菜の花を頭の中どころか唄っている呼吸の肺の中にまで感じていつもふわふわと夢見心地になります。
太田さん、これからもいっそう濃く力強く、その太田節でリスナーの皆様を魅了して下さい。

さてさて、それでは最後にmorph-tokyoでもお配りしましたセットリストを掲載して、幻想サァカス第二幕、綱渡りの歌姫みとせのりこの演目のご紹介を閉幕とさせて頂きます。
皆様次は2月のクラシックスで、或はそちらにおいでになれない方には、必ずまたお会いできる席を設けることをお約束致します。

◆20120108 Le Cirque Fantastique みとせのりこ

みとせのりこ Noriko Mitose(vo.)
鶴田萌子 Moko Tsuruta(p.f.)
岡部恵理 Rie Okabe(v.c.)

1.夢ヲ買イマス(みとせのりこ+弘田佳孝/yorlga)
2.オクターヴ・ワルツ(みとせのりこ/ヨルオトヒョウホン)
3.月下美人(ORITA/Phill)
4.キネマモザイク(みとせのりこ/Centifolia)
5.曼珠沙華(Trad/カタン)
6.三日月の舟(kirche/Pleiades)
7.カナリヤ機械(kirche/未収録曲)
8.冬の柩(みとせのりこ/winer mix)
9.Centifolia(みとせのりこ/Centifolia)