◇「Vierge Automatique~擬似少女楽園廃墟Ⅱ~」のこと

ツイッターでは少し前に、ぽそっと、しかし明瞭な決意を持った上で呟きましたが、2008年に収録を始めてから一旦制作がペンディングになっていたみとせのソロアルバム、「Vierge Automatique~擬似少女楽園廃墟Ⅱ~」の制作を再開致しました。詳しい発売時期などはまだ正確に決まってはいませんが、夏の終わり頃のリリースを目処に、どんなに遅くとも年内には必ず世に送り出させて頂ける計画で既に再始動しております。
このアルバムは自分(とキルシェやORITA)のレーベル桜詩舎からリリース予定のもののため、パートナーブランドのある作品を優先していたら、シングルタスクのみとせ、なかなか手がつけられず、看板だけ掲げて他の作品にかまけ、すっかり時間が経ってしまいましたことをお詫び致します。
長くお待たせしたのでご不安もあるかと思いますが、どうぞみとせを信じて今暫し待ってやって下さいませ。

以前のブログにも書きましたが、このアルバムの企画は2004年に開催された人形展「擬似少女楽園廃墟」(「Centifolia」のジャケットを撮って下さったNoahさんの参加されていた展示です)に300枚限定で発売されたシングルをベースにしております。そのシングルよりヴォーカル曲である2曲、「Mindsphere」と「セルクール・ブラン~白の柩」をリメイクして再録、展示会場でのライヴ限定で唄わせて頂いた「百花庭園の幻影」をリアレンジの上新録、その他みとせが以前歌詞を提供させて頂いた曲や、書き下ろしの曲などを含めたフルアルバムになります。基本的には全部録りおろしの音源で、昔の音源そのままの再録はありません。

企画当初と違う点は、大きな点ではディレクターの変更です。この企画、元々はキルシェの井上君の発案で始まりました。そのためと、みとせがまだまだ頼りなかったこともあり、井上君を制作ディレクターに迎えて進めていたのですが、今回の再始動にあたってみとせのりこ本人が全て担当する形になりました(ので、キルシェ的要素は薄まるかと思います、キルシェっぽいのを期待している方にはスミマセン…て、このテーマでキルシェっぽいのは期待しないか・笑)。
企画立ち上げから4年も経過してしまいましたが、かわりにその間にみとせもソロとしての活動をいくつもこなし、アルバムをリリースし、音楽人としての視点や趣味の幅、活動への考え方も進化していきました。その個の進化を反映させながらの再始動。再始動というより「再起動」とも言える形で頑張っておりますので、温かく見守って応援して頂ければ幸いです。

また、メールにてご質問を頂きましたので、現在おしらせできる楽曲の作編曲家のことだけ付記させて頂きます。

企画元となったシングルとライヴに提供して頂いた曲、井上俊彦作編曲の「Mindsphere」はそのまま井上君のアレンジでお送り致しますが、
多田遠那さんの曲「セルクール・ブラン~白の柩」と「百花庭園の幻影」に関しましては、それぞれを多田さんではなく別のアレンジャーの方に編曲して頂いております。
多田さんには今回、当時お借りしたメロディーだけをご提供頂くということで最初からお話しし、制作を進めて参りました。企画立ち上げ当時はご自身も闘病にてお辛い状態でしたのに、快く応じて下さいました多田さんには心より感謝しております。
多田さんはこのアルバムにはアレンジ、演奏等、新たに動的な部分ではご参加頂いておりません。
多田さんのファンの方にはたいへん残念なおしらせで恐縮なのですが、どうぞご理解の上お含み置き頂けますようお願い致します。
多田さんの現在のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

リアレンジ、書下ろしといろいろ詰まったこのアルバムですが、そろそろおなじみのDaniさんや、少女の業(笑)となったら絶対この人はお招きする!と心に決めている弘田佳孝さんにもアルバムへの参加をご快諾頂けましたし、キルシェの未収録曲「カナリヤ機械(にんぎょう)」をセルフカヴァーという形でこのアルバムに収録する許可も井上君から快くもらえました。その他の参加面子も奏者を含めみとせが「是非この人に!」と思った方々ばかりです。

キルシェのみとせとも、「カタン」のみとせとも違う、かなり偏った作品になると思いますが、みとせが以前自分の世界観の純粋培養として活動していた「水溟宮」の世界に繋がる、暗黒少女系で弔いすぎ(笑)なアルバムになると思いますので、そんなみとせの芸風がお嫌いでない方は、是非とも期待してやって下さい。

唄しか唄えない、歌詞しかかけない、音に関してはてんで詳しくないのに唄を唄わせてもらっている「ど詞耳」ミュージシャンみとせのりこ、それでも音楽が大好きで仕方ないわたくしの持てる精一杯を傾けて、一生懸命頑張ってます。

アルバムの続報はまだ少し先になると思いますが、あたたかくなる頃までお待ち頂ければ幸いです。
まずは約一週間後の唱歌ライヴ、「唱歌と冬の音」きさらぎ月の会でお会いしましょう。